追いかけっこ。
2007年 05月 19日
ムルムルとオセの出会い。
『キャハハッ!みんな死んじゃえー★』
ボクはいつも通り死体の軍勢を率いて闘ってた。
攻撃した相手に怨みがあったわけじゃない。
目に付いただけ。近くに居ただけ。
『ねぇ聞いた?ムルムル…また一つ、軍勢を壊滅させたらしいわよ…?』
『え…本当?怖いわね…相手に怨みがあるわけでも無いんでしょ?』
『あんな酷いことよく出来るよな。』
『あんなの悪魔じゃねぇ。悪魔以下だ。』
こそこそ聞こえてくるボクの悪口。
知ってるよ。ボクは悪魔なんかじゃない。大天使だったんだもの。
お前らなんかと一緒にするな。ボクはエラいんだ。
『キミたちィー…殺されたい?』
『ヒィィッ…』
ニコリと微笑めばすぐ逃げてく。
逃げ足だけは速いんだね。ホント尊敬ー♪
くだらない。何もかもがくだらない。
ボクを理解してくれるのは死体人形だけ。
死体は良い。何も文句言わないから。
何も言わずボクについてきてくれる。
そんな時だった。アイツに出会ったのは。
『…オセ?何、ソイツ強いの?』
『かなり…ツヨイです。ダイソウサイテ聞きマシタ。』
情報収集担当の死体人形からオセの事を知った。
ボクは強いやつを負かすのが好きだ。
自分という存在をそこに刻み込めるから。
『ふーん♪じゃあ…壊しに行こっか★』
『ハイ。』
-------------------------------------------------
『どォもー♪壊しに来たよ、オセ★』
『あ。ムルムルじゃん。…え!?なにソレ!俺壊れるのォー!?』
『壊れるんじゃないヨ★ボクが壊すのォ♪』
『あ。そうなの?…て、なんでェ!?』
『問答無用ねェー★オネガイ♪死んでェー?』
ボクは自分で言えるほど強い。強いよ。
そして先に攻撃を仕掛けたのはボクだ。
なのに…なんでコイツはボクを止めてる?
『…なにさ。ボク捕まっちゃったの?』
『うん。捕まえたー』
『そう、じゃあ殺しなヨ。』
『なんで殺さなきゃいけないの。』
オセは本当に驚いたようだった。
驚きたいのはコッチだよ、オセ。
なんでアンタはボクを殺さない。
自分を殺しに来た悪魔だヨ?
それがボクたちの出会い。
ボクはその後軽くお説教くらって帰された。
『もうすんなよー♪』なんて、軽い言葉と共に。
-------------------------------------------------
『なんだアイツ!なんだアイツ!』
気に入らない。
完全にボクを子ども扱いしてた。
こんなハズじゃなかったのに…
『ムルムルサマ、少しオチツキくだサイ。』
『…ウルサイよ。』
一瞬で辺りは真っ赤に染まった。
カタコト、少しおかしい言葉…このコたちは生きていない。
ボクが作った…死体人形。
『ムルムルー!居るー?』
!!!
能天気な声…オセだ!
『なんだ、居るんじゃん。ゲッ!なにその気色悪い物体!』
『ボクの…人形だヨ。』
ボクの人形は原型を留めていなかった。
ボクが…壊しちゃった。
『まぁ…良いや。ん?コレ良いのか?』
『一応死体から作ったとはいえ意思はあるよなァ?』
『良いのか!良いのか俺ェー!』
ワケのわからない自問自答をしばらくしてから、
オセはボクに言った。
『ま、いっか。ムルムルー!外行かねぇ?』
『ハッ!外ォ?そんなの白い目で見られるだけだヨ★』
『うるさーい♪行くんだ!』
聞いた意味無いんじゃないかと思いながら、
ボクはズルズルと外へ連れて行かれた。
何処に行くのかなんて知るワケない。
『ドコ行くのさァー』
『ムルムルの好きなトコー♪』
なんだソレ。ボクの事何にも知らないクセに。
どうせ墓場でしょ。
噂だけで知ってるならボクは『死体と仲良しの変人』だもんな。
死体集めでも手伝ってくれる気ィ?
『ここって…』
ボクの予想はハズれてた。
オセが連れて来たのは天界への入り口。
ボクが…墜とされた場所。
『こっから帰れるよー。喜べ!元の天使に戻れるゾ。』
『はァー?帰ったって天使に戻れるワケないじゃん。』
『俺が主サマに頼んどいた♪』
『…』
バカだ。間違いなくこいつバカだ。
なんでボクにそんなコト言うんだ。
ボクは仲間をも手にかける最低なヤツなんだぞ。
『行かないの?』
嬉しそうに、オセは尋ねた。
『…ボク、世話になった方は殺してあげる主義なんでェ♪
オセ、あんたを殺してから行く★』
『そっかー!…って、えええええ!?』
これがボクの精一杯。
お前に興味が湧いたなんて死んでも言えない。
けど、ボクはお前について行く。
能天気で、馬鹿で、お人好しで。
そんなので地獄を生きていけると思うな。
ボクが面倒見てあげる。
ごめん。ボク、素直じゃないんだァ★
―だからボクは…絶対に叶わないと思った事を望んだんだ。
『て、事でェ♪死んでよー★』
『ゴメン。俺まだ生きたいし;;;』
『これからゴハンには気をつけた方が良いヨー♪
何か入ってるかもォ★』
『え。何入れる気なのォ!?砂糖!?砂糖入れんのか!?』
『何ソレ。何の嫌がらせなの。餓鬼じゃねぇっつの。
何、アンタのイメージではそんなちゃちいもん入れる子なの、ボク。』
【あんたを殺してから行く】
なんて都合の良い口実。
ボクは天使に戻る気なんてさらさら無いさ★
あんなキレイゴトだらけの世界、堅苦しいったらありゃしない。
新しい遊びも見つけたし…☆
ボクとキミの追いかけっこはどちらかが死ぬまで♪
この仲良しごっこも追いかけっこが終わるまで♪
きっと終わることの無い、追いかけっこ。
だって、殺す方にやる気が無いんじゃね♪
死ぬまで付き纏ってやるヨ★オセ。
--------------------------------------------------------------------
SSに挑戦。
とりあえずムルムルとオセの出会いというか関係?
それからどんどん仲良く…なったらなーと。
これだと結構遊ばれてるのはムルムルだったり^^;
(『だからこれは塩だって言ったじゃん★』
『砂糖と塩は双子か!?何でこんな似てんの!』
『舐めりゃ解るっしょ、アンタやっぱ馬鹿だ★』
『馬鹿馬鹿ゆーのが馬鹿なんだぜ♪ばぁか♪』
『アンタ…マジうぜーよ。死ねよ。』
『怖い!ムルムル怖いってば!銃しまってしまって!』
こんな関係??笑)
『キャハハッ!みんな死んじゃえー★』
ボクはいつも通り死体の軍勢を率いて闘ってた。
攻撃した相手に怨みがあったわけじゃない。
目に付いただけ。近くに居ただけ。
『ねぇ聞いた?ムルムル…また一つ、軍勢を壊滅させたらしいわよ…?』
『え…本当?怖いわね…相手に怨みがあるわけでも無いんでしょ?』
『あんな酷いことよく出来るよな。』
『あんなの悪魔じゃねぇ。悪魔以下だ。』
こそこそ聞こえてくるボクの悪口。
知ってるよ。ボクは悪魔なんかじゃない。大天使だったんだもの。
お前らなんかと一緒にするな。ボクはエラいんだ。
『キミたちィー…殺されたい?』
『ヒィィッ…』
ニコリと微笑めばすぐ逃げてく。
逃げ足だけは速いんだね。ホント尊敬ー♪
くだらない。何もかもがくだらない。
ボクを理解してくれるのは死体人形だけ。
死体は良い。何も文句言わないから。
何も言わずボクについてきてくれる。
そんな時だった。アイツに出会ったのは。
『…オセ?何、ソイツ強いの?』
『かなり…ツヨイです。ダイソウサイテ聞きマシタ。』
情報収集担当の死体人形からオセの事を知った。
ボクは強いやつを負かすのが好きだ。
自分という存在をそこに刻み込めるから。
『ふーん♪じゃあ…壊しに行こっか★』
『ハイ。』
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『どォもー♪壊しに来たよ、オセ★』
『あ。ムルムルじゃん。…え!?なにソレ!俺壊れるのォー!?』
『壊れるんじゃないヨ★ボクが壊すのォ♪』
『あ。そうなの?…て、なんでェ!?』
『問答無用ねェー★オネガイ♪死んでェー?』
ボクは自分で言えるほど強い。強いよ。
そして先に攻撃を仕掛けたのはボクだ。
なのに…なんでコイツはボクを止めてる?
『…なにさ。ボク捕まっちゃったの?』
『うん。捕まえたー』
『そう、じゃあ殺しなヨ。』
『なんで殺さなきゃいけないの。』
オセは本当に驚いたようだった。
驚きたいのはコッチだよ、オセ。
なんでアンタはボクを殺さない。
自分を殺しに来た悪魔だヨ?
それがボクたちの出会い。
ボクはその後軽くお説教くらって帰された。
『もうすんなよー♪』なんて、軽い言葉と共に。
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『なんだアイツ!なんだアイツ!』
気に入らない。
完全にボクを子ども扱いしてた。
こんなハズじゃなかったのに…
『ムルムルサマ、少しオチツキくだサイ。』
『…ウルサイよ。』
一瞬で辺りは真っ赤に染まった。
カタコト、少しおかしい言葉…このコたちは生きていない。
ボクが作った…死体人形。
『ムルムルー!居るー?』
!!!
能天気な声…オセだ!
『なんだ、居るんじゃん。ゲッ!なにその気色悪い物体!』
『ボクの…人形だヨ。』
ボクの人形は原型を留めていなかった。
ボクが…壊しちゃった。
『まぁ…良いや。ん?コレ良いのか?』
『一応死体から作ったとはいえ意思はあるよなァ?』
『良いのか!良いのか俺ェー!』
ワケのわからない自問自答をしばらくしてから、
オセはボクに言った。
『ま、いっか。ムルムルー!外行かねぇ?』
『ハッ!外ォ?そんなの白い目で見られるだけだヨ★』
『うるさーい♪行くんだ!』
聞いた意味無いんじゃないかと思いながら、
ボクはズルズルと外へ連れて行かれた。
何処に行くのかなんて知るワケない。
『ドコ行くのさァー』
『ムルムルの好きなトコー♪』
なんだソレ。ボクの事何にも知らないクセに。
どうせ墓場でしょ。
噂だけで知ってるならボクは『死体と仲良しの変人』だもんな。
死体集めでも手伝ってくれる気ィ?
『ここって…』
ボクの予想はハズれてた。
オセが連れて来たのは天界への入り口。
ボクが…墜とされた場所。
『こっから帰れるよー。喜べ!元の天使に戻れるゾ。』
『はァー?帰ったって天使に戻れるワケないじゃん。』
『俺が主サマに頼んどいた♪』
『…』
バカだ。間違いなくこいつバカだ。
なんでボクにそんなコト言うんだ。
ボクは仲間をも手にかける最低なヤツなんだぞ。
『行かないの?』
嬉しそうに、オセは尋ねた。
『…ボク、世話になった方は殺してあげる主義なんでェ♪
オセ、あんたを殺してから行く★』
『そっかー!…って、えええええ!?』
これがボクの精一杯。
お前に興味が湧いたなんて死んでも言えない。
けど、ボクはお前について行く。
能天気で、馬鹿で、お人好しで。
そんなので地獄を生きていけると思うな。
ボクが面倒見てあげる。
ごめん。ボク、素直じゃないんだァ★
―だからボクは…絶対に叶わないと思った事を望んだんだ。
『て、事でェ♪死んでよー★』
『ゴメン。俺まだ生きたいし;;;』
『これからゴハンには気をつけた方が良いヨー♪
何か入ってるかもォ★』
『え。何入れる気なのォ!?砂糖!?砂糖入れんのか!?』
『何ソレ。何の嫌がらせなの。餓鬼じゃねぇっつの。
何、アンタのイメージではそんなちゃちいもん入れる子なの、ボク。』
【あんたを殺してから行く】
なんて都合の良い口実。
ボクは天使に戻る気なんてさらさら無いさ★
あんなキレイゴトだらけの世界、堅苦しいったらありゃしない。
新しい遊びも見つけたし…☆
ボクとキミの追いかけっこはどちらかが死ぬまで♪
この仲良しごっこも追いかけっこが終わるまで♪
きっと終わることの無い、追いかけっこ。
だって、殺す方にやる気が無いんじゃね♪
死ぬまで付き纏ってやるヨ★オセ。
--------------------------------------------------------------------
SSに挑戦。
とりあえずムルムルとオセの出会いというか関係?
それからどんどん仲良く…なったらなーと。
これだと結構遊ばれてるのはムルムルだったり^^;
(『だからこれは塩だって言ったじゃん★』
『砂糖と塩は双子か!?何でこんな似てんの!』
『舐めりゃ解るっしょ、アンタやっぱ馬鹿だ★』
『馬鹿馬鹿ゆーのが馬鹿なんだぜ♪ばぁか♪』
『アンタ…マジうぜーよ。死ねよ。』
『怖い!ムルムル怖いってば!銃しまってしまって!』
こんな関係??笑)
by meniydaichuki
| 2007-05-19 15:34
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