ナヅナ家のはっちゃけ日常。    時々SSも落っこちてたり。


by meniydaichuki
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神奈の長いハロウィンの一日

tまちゃんのSSに感動しちゃって
うっかり書き上げちゃった一品。
ハロウィンの日付にしとくもん!気合で。笑














六華が帰ってから数分後、リビングに皐月がやってきた。
どうやら吸血鬼を目指していたようだ。
黒いマントをヒラヒラさせながら叫んでいる。

『トリックオアトリート!神奈!居るのはわかってるわ!
 観念して出ていらっしゃい!』

バタンバタンといろいろな部屋を開けて回る皐月。
もちろん神奈はリビングから動いてなどいない。
一度目が合ったように思ったのだが、皐月は気づいてないらしい。

『オイ…俺はさっきからずっとここにいるぞ?』
『え!?何よ!居るならさっさと言いなさい!』
『だってオマエ…完璧に目が合っただろう。』
『うるさいわね!今私カラコンしてるの!
 だから景色が真っ赤でよく見えないのっ!
 つべこべ言わずにお菓子をよこしなさい!』

カラコン…そこまでしているのか…と神奈は呆れた。
だがお菓子を渡さなくてはどうなるかわからない。
素直にお菓子の袋を渡した。

『あら…?プリンが無いわよ。
 神奈、私のお菓子にプリンを入れないなんていい度胸ね?』
『は?プリン…?だぁああああああ!忘れてたっ!!』

笑顔で迫ってくる皐月。
かつて神奈は皐月への捧げ物にプリンを入れないばっかりに
酷い目に遭った事がたびたびある。
そのため、何を頼まれても必ずプリンはつけていた。
しかし今回はたまき家のお騒がせ住人の相手で忙しく、
プリンを買い足しに行く間が無かったのだ。

『ふふふ…♪さあて、どうしようかしら?』
『ま、待てって!話せばわかるから…』
『黙らっしゃい!そうね…フフッ♪
 貴方には今からハロウィンに参加してもらうわ。
 もちろんコスチュームは私が決める。
 何か言いたい事は?』
『…ありません。』
『よろしい。』

皐月は満面の笑みで神奈を見た。
そしてしばらく考えたあと、ルシェルを呼び出した。

『なぁにぃ??皐月ちゃんのコスはもう終わったでしょ?』
『ふふっ♪ルシェル…あなたオシャレが大好きだったわよね?
 神奈をとびっきり可愛くしてあげて頂戴。』
『わー!なんか面白そうだねっ♪
 まかせて!とびきりキュートにしてあげる★』

自分を無視して進む話にいつもならツッコむ神奈だが、
今日の皐月はすこぶる怖い。
逆らおうものなら氷付け…それは困る。
黙って従うことに決めたらしい。
『じゃ、後がんばってね~♪』と上機嫌で皐月は去って行った。
残ったのはやたら張り切るルシェルと諦めモードな神奈。
ルシェルは手際よく神奈の髪を上げていく。

『ちょ…!なんで髪上げるんだよ!女みてーじゃん!』
『うるさいっ!可愛い=女の子でしょうが!!
 逆らうんだったら…皐月ちゃんに言っちゃおっかなぁ~』
『く…卑怯だぞ…。』
『これもご命令なので~すっ★』

神奈は現実逃避をし、目を瞑ってなにやら呪文を唱えはじめた。
この間テレビで言っていた魔よけの呪文。
それを唱えているうちに神奈はいつの間にか眠ってしまった。

『かんせ~い!ど?可愛いでしょ♪
 超力作なんだけどっ★』
『ん…ふあぁぁあ…寝ちまったみたいだな…
 って、えええええぇ!?コレ俺!?マジで?誰!?』
『正真正銘神奈クンっV
 可愛いでしょー♪あたしを褒めてよね★』
『いやいやいやいや!
 誰が褒めるか!なんだよコレ!のかねぇし!』
『魔法であと24時間は取れないようにしてまーすっ
 がんばったんだからのけないでよね♪』
『…』

神奈は言葉を失った。
鏡を覗けばどこからどうみても女。
でも動きは自分にぴったり合う。
ブロンドのカツラにブルーのカラコン。
メイクもばっちし決まって青いワンピースに白いエプロンがよく映えている。

『あら。出来たの?…って、貴方誰?
 不思議の国と我が家を間違えたのかしら?
 出口はこちらよ。さっさとお帰りなさい。』
『…俺だよ…』
『え?聞こえないわ?
 神奈が居ないようね…ルシェル、どういう事?』
『きゃははっ♪
 その目の前に居るコが神奈だよー★
 可愛いでしょ?』
『えぇぇぇぇ!?
 ルシェル!貴方すごいわ!見直したわ!
 神奈がこんな可愛らしいアリスになるなんて!』
『うるせー!俺は可愛いなんていわれて嬉しかねぇよ!!』
『これはみんなに見せてあげなきゃいけないわね…!
 神奈!行くわよ!』
『え…ちょ…!!やめろって…馬鹿!!』

皐月はほぼ無理やり神奈を連れ出した。
24時間部屋に引きこもる予定だった神奈は必死で抵抗したが、
皐月の力は凄まじいものだった。
こういうのを火事場のクソ力と言うのだろうと
神奈は身をもって体感した。

『あら!朱葉季じゃない!
 ちょっとこの子見てみてよ!』
『皐月さん!わぁ♪綺麗なひとだねぇ…だぁれ??』
『ふふっ♪なんとなんと神奈クンなのよ!』
『えー!?神奈さんがこんなに可愛いなんて知らなかったよぉ…
 とっても可愛いよ、神奈さん♪』
『…あ、あぁ…ありがとう…。』

すごくキラキラした目を向けられた神奈は怒る事も出来ず、
ただ感謝を言うしかなかった。
そんな神奈が心底面白いのか必死で笑いを堪える皐月。
朱葉季に別れを告げ、また手を引いて走り出した。

『あ!餡蜜!』
『皐月姉様。どうなされた?
 そちらにおられるのは誰にございまする?』
『ふふふ♪餡蜜もわからないみたいね!
 なんと神奈なの!驚きでしょ!』
『…皐月姉様、ありえませぬ。
 わらわを騙そうと思うておられるのかもしれませぬが
 わらわはそこまで馬鹿ではございませぬぞ!』
『え、ちょっと…餡蜜!誤解よ!本当に神奈なのっ!』
『いえ。わらわはわかっておりまする。
 皐月姉様はきっとハロウィンとエイプリルフールを間違えておられる。
 わらわもつい先日知った事でございます故、
 皐月姉様は知らないのでありましょう。』
『だから…!ほんとに神奈なの!
 それに私はエイプリルフールとハロウィンを間違えたりしないわ!』
『わらわをからかうのも大概になさいませ!怒りますぞよ。
 わらわとて毎日神奈兄様とは顔をあわせておりまする。
 こちらのお方が神奈兄様では無いことぐらい、たやすくわかりますぞえ。
 それに神奈兄様はこんなに美しくなどございませぬ。…ぶつぶつ』

それからしばらく餡蜜は語り始めた。
どれも神奈を侮辱するような事ばかりだったので、
神奈は危うく叫びかけたがぐっと堪えて皐月に言った。

『…皐月、行こう。今の餡蜜に何言っても無駄だ。』
『んもー!納得できないわね!なんで私が嘘吐きなんて思われなきゃいけないの。』
『仕方ないだろ。餡蜜なんだから。』

いまだぶつぶつまだ語り続ける餡蜜を置いて、
皐月と神奈はその場を去った。
この誤解を解くのもまた時間がかかりそうだ。

『あ!あそこに居るのはオセじゃない?オセー!!』
『おぉ!皐月ー!誰だその子?』
『ふふふ♪聞いて驚きなさい。なんと神奈よ!』
『…へ?…えぇぇぇ!!?』
『さすが馬鹿ね。ワンテンポ気づくのが遅いわ。』
『だって…この子が神奈!?ありえないだろ!
 エリゴルもナンパしちゃうぜ?』
『あ!いいわね!六華たちにも見せてあげましょうよ!
 その方が絶対面白いわ!』
『オイオイオイ、待てコラー!!
 それだけはやめろ!絶対ダメだ!』
『…貴方…拒否権があるとでも思ってるの?』
『いえ…オモッテマセン。』

そんなこんなでたまき家に向かう2人。
吸血鬼と美女。
なんとも変な組み合わせだ。

『六華ー!ちょっと見せたいものがあるの!』
『…だから…呼び鈴押せって…』
『お黙り!あ!そうだわ!神奈、貴方女の振りをしなさい。
 どこまで騙せるかやってみましょ★』
『マジで…?無理だろ…俺自信無ぇよ…』
『大丈夫よ!今はどっからどうみても女なんだから!』

そう話しているうちにドアが開いて六華が出てきた。

『皐月!見せたいものって何??』
『この子!今度新しく家に住む事になったマリアンヌよ。
 ごあいさつに伺おうと思って★』
『へー!そうなの!可愛い子じゃない!
 よろしくね★マリアンヌっ♪』
『え、ええ。よろしく…』
『あら。少し声は低いみたいね?』
『そ、そうなのよー!風邪引いちゃったみたいで。』
『それは大変!とりあえず上がって!
 確かよく効く薬がリビングにあったはずよ!』

そう言って六華はリビングへとダッシュした。
皐月は嬉しそうにピース。
最近彩斗のいたずらが移ってきたのではと本気で神奈は心配した。

『おや。この方はどなただい?』
『グラ爺!可愛いでしょう?私たちの新しい家族、マリアンヌよ♪』
『ほぉ…確かに綺麗な顔をしているね。
 ぜひ絵を描いてみたいよ。』
『『それだけはやめて。』』
『おやおや…そんなに絵は気に入らないかい?
 それに…おかしいな。マリアンヌまで嫌がるなんて。』
『あ!こ、この子自分の顔あんまり好きじゃないみたいよ。
 ね、マリアンヌ!』
『え、ええ…それにわたくし、あまり絵は好みませんの。』
『そうかい…?残念だよ。
 ではまた次の機会にするとしよう。』

少し訝しげな顔をしたが、
そう言ってラボラスは去っていった。

『もう!危ないじゃないの!
 貴方は初対面って設定なのよ!しっかりなさい!』
『だ、だって…絵描かれたら死んじまうんだぜ?
 そりゃ必死にもなるさ。』
『お黙り!今度ミスしたらただじゃおかないから!』
『わかったよ…。はぁ…』

神奈は盛大に溜息をついた。
これから先どうなるのか全く検討がつかないからだ。
まさか六華とラボラスを騙せるとは思っていなかった。
リビングに行くと六華が待っていた。
隣には当然のごとくアモン。

『もう!どこ行ってたのー!探したのよ!』
『悪かったわ、六華。
 途中でラボラスと会ってついでにマリアンヌを紹介したの。』
『そうなの!ならいいわ。あ!これ風邪のお薬。
 コレ飲んで寝れば一発で治ると思うわ♪』
『おう…じゃない!あ、ありがとう。助かりますわ。』
『ん?誰だソイツ。』

それまでじっと本を読んでいたアモンが不意に顔を上げた。
それに気づいた六華は皐月ちゃんたちの新しい家族だと説明した。
するとアモンはニヤリと笑って立ち上がった。

『そうか…名前はなんて言うんだ?』
『ま、マリアンヌと申しますわ。』
『フ。可愛い名前じゃないか。』
『…ありがとう。』
『なによ!アモン!人間嫌いなんじゃなかったの!?』

いつも初対面の人間には冷たい態度を取るアモンが
マリアンヌには笑顔で話しかけているのが気に入らなかったらしく、
六華は大声を上げて立ち上がった。

『マリアンヌに惚れちゃったとか!?
 なによ…もう!どうにでもすればいいわ!!!』
『六華、お前気づかなかったのか?こいつは神奈だ。』
『え…?』

六華はきょとんとし、皐月と神奈は驚いた。
六華はもう一度じっくりとマリアンヌを見る。
どこからどう見ても女の子にしか見えない。

『…なんでわかった?』

そんな中でマリアンヌ改め神奈が口を開いた。
完璧に騙せたと思っていたらしく、表情は少し悔しそうだ。

『キョドりすぎだ…。バレバレだぞ?』
『えー!そう??あたし全然気づかなかったわ!』
『ごめんね六華。あまりにも面白かったから言わなかったの。』
『もー!こんなにあっさり騙されたなんて悔しい!
 今度仕返ししてやるんだから♪』
『ふふっ♪私を騙せると思ってるの?』

六華と皐月はわーわーと言い合っている。
しばらく話は終わらなさそうなので、神奈はソファに腰掛けた。
その隣にアモンが座る。

『騙せたと思ったのになぁ…不本意な格好とはいえ、悔しいぜ。』
『馬鹿。俺を騙すなんて100万年早い。』
『うっせえ!そんなに俺生きれねぇから!』
『人間なんかに生まれるからだ。』
『え?俺のせいじゃなくね?これは自然のせいじゃね?』
『…馬鹿な奴。』

そう言って笑いあった。
丁度その時バタンと盛大な音を立ててエリゴルが入ってきた。
騒がしい方はチラリとも見ず一直線に冷蔵庫へ向かう。
そして牛乳を飲み、ソファの方を見た。
そこには仲良く座って話をしている男女。
片方の男はアモンだ。
そうわかった途端、牛乳を吹いてしまった。

『だあぁぁぁ!こんの…お前っ!!浮気か!?』
『黙れ馬鹿。汚いから寄るな。』
『黙れってお前…!!ソイツ誰だよ!六華はどうするんだ!!』
『ちょ、エリゴル落ち着けって!俺だよ!神奈!!』
『え…?』

ふと我に返って見渡せば、驚き固まっている六華と皐月。
そして目の前の女の子が発した声は確かに神奈。

『どーなってんの?全くさっぱり理解出来ない。』
『馬鹿だからな。』
『うるさい!ね、コレ何?』

エリゴルは訝しげにブロンドの髪をつまむ。
神奈は終始苦笑いだ。
エリゴルの問いに答えたのは皐月だった。

『ふふっ♪今日はハロウィンでしょ?仮装よ、か・そ・う♪』
『へー…よくできてるね。本気で間違えた!』
『女に間違われても嬉しくとも何ともないぞ。』

このとき初めて神奈は竜の気持ちがわかった気がした。
そして改めて、初めて会ったときの無礼を心から詫びたいと思った。
そうしてきゃいきゃいととりとめもない話をし、
気づけば夕飯の時刻になっていた。

『ふふっ♪今日は楽しかったわ。またこういうのしてみたいわね。』
『今度はあたしたちが騙すからね。皐月ちゃん、覚悟しといてよ♪』
『そうね、楽しみにしておくわ★神奈、帰るわよ。』
『いえっさー!じゃ。アモン、エリゴル、またな!』
『今度はまともな格好して来い。』
『俺は別にそのままでも良いけどなっ♪』
『『うるさい馬鹿ゴル。』』
『うっわひでー!神奈まで…。これは完璧反抗期だな。』
『ははっ!じゃあな。また来るぜ。』

そうして神奈にとって長すぎるほど長かったハロウィンは終わった。
神奈は家に帰った後盛大に爆笑され、
二度とこんな事はしないと心に決めたのだった。
皐月の後に神奈を驚かす担当だったマーブルや霙たちが
皐月からの合図が来ず、すっと待ちぼうけをくらっていたのはまた別のお話。














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くあー!!SS書くの久しぶり!
まとめ方がいまいちわかんないなぁ…
餡蜜のしゃべりかたも忘れかけてる!やばいやばい!

たまちゃん!素敵なSSありがとう^^
六華ちゃんたちお借りしちゃってごめんねー


お粗末でした。
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by meniydaichuki | 2007-10-31 17:52 | おきゃくさま